生理不順や早発閉経では卵子凍結すべき?

「生理不順の人は卵子凍結が必要?」「早発閉経する前に卵子凍結したい!」といった悩みを持つ方は多いかと思います。

結論として、不妊の原因となる婦人科疾患を持つ女性は、卵子凍結を選択肢に入れるのがおすすめです。

この記事では、生理不順や早発閉経で卵子凍結すべきかどうか、また各々の特徴について詳しく解説しています。

早発閉経の指標になる検査方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

早発閉経とは
もくじ

卵子凍結とは?

卵子凍結とは、受精前の卵子を凍結保存することで妊娠に必要な能力(妊孕性)を温存する方法です。(参考:未受精卵子凍結保存の現状|厚生労働科学研究成果データベース

卵子凍結には、以下の2パターンの理由(適応)に分けられます。

医学的適応がんなどの病気治療や医学的介入によって、卵巣機能が低下する可能性がある人
社会的適応(ノンメディカル)将来的に子どもは欲しいが、現在パートナーがいない人将来の妊孕性の低下に不安がある人(医学的適応以外の人)

(参考:未受精卵子および卵巣組織の凍結・保存に関する指針」|日本生殖医学会

いずれの場合も、本人が希望すれば卵子凍結は可能です。

近年では、女性の社会進出や初婚年齢の上昇に伴い、ノンメディカルな卵子凍結を希望する方が増えています。

卵子凍結を行う場合は、凍結時の年齢が若いほど将来使用する際に受精しやすいため、日本生殖医学会のガイドラインでは、36歳未満での凍結保存が望ましいとしています。

卵子凍結を希望する場合は早めに医療機関へ相談するのが良いでしょう。

生理不順とは?

生理不順とは、生理周期が不規則でいつ生理が来るか分からない状態です。

その中でも、生理周期によって次の4つに分かれます。

正常周期25~38日
頻発月経周期が24日以内
稀発月経周期が39日以上
無月経3か月以上生理が来ない

このような生理不順は、以下の病気が原因の可能性があります。

  • 子宮内膜症…子宮内膜(または似た組織)が子宮内以外に増殖・剥離を繰り返す状態
  • 子宮筋腫
    子宮の壁にできる良性腫瘍
  • 卵巣のう腫
    卵巣に液体が溜まった状態

など

特に子宮内膜症や子宮筋腫が原因の場合、不妊になるリスクもあるため早期発見が重要です。

生理周期に乱れがある場合は「生理不順はいつものこと」と思わず、産婦人科を受診しましょう。

(参考:月経について|母性健康管理等推進支援事業 事務局

早発閉経とは?

早発閉経(早発卵巣不全)とは、40歳未満で卵巣機能が低下し無月経になる状態を指します。

女性の100人に1人が発症すると言われていますが、生理不順の症状から始まるため見極めが難しい病気です。

現状では、病気そのものの治療は難しく、そのまま閉経してしまい不妊症になる方が多いです。

しかし、事前に早発閉経の予測が立てられれば、たとえパートナーがいない場合も卵巣不全になる前に卵子凍結などをして対策をとることができます

早発閉経の可能性を知れる「AMH検査」

早発閉経の予測を立てる上で注目されている検査が、「AMH検査(アンチミュラー管ホルモン検査)」です。

卵子の数

AMH検査は、卵巣にどれだけ卵子の在庫があるか、といった卵巣の予備能力を検査できます。

  • AMHが高い状態…卵巣内の卵子が多い
  • AMHが低い状態…卵巣内の卵子が少ない(早発閉経の可能性がある)

卵子の数は年齢と共に減るため、卵子の在庫数で卵巣機能を予測することが可能です。

しかし、AMH検査では正確な卵子の数は分からないため、早発閉経の予測を立てる程度の検査と言えます。

生理が長期間止まっている生理不順の方は、一度検査を受けてみるのも良いでしょう。

AMH検査キット 卵子凍結

(参考:女性100人に1人!意外と知らない「早発閉経」~私と、家族のために、今知っておきたいこと~|日本科学未来館

生理不順や早発閉経では卵子凍結すべき?

生理不順や早発閉経では、卵子凍結を検討するのがおすすめです。

理由としては、いずれの病気も不妊症になるリスクがあるからです。

特に生理不順は、月経困難症(子宮内膜症や子宮筋腫)、早発閉経といった不妊リスクがある病気の症状としてもよくみられます。

また、早発閉経では閉経後の採卵が難しいため、早期発見するためには早めの受診が重要です。

今は子どもを持つ予定がない人でも、将来の選択肢を広げるために病気を早期発見し、卵子凍結を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

早発閉経後も妊娠可能?

妊娠機能が正常であれば、早発閉経後も妊娠は可能であると考えられます。

早発閉経の診断後に再び排卵や生理が始まる人もおり、生涯における妊娠率は5〜10%と少なくありません。(参考:早発卵巣不全|日本内分泌学会

そのため、あらかじめ卵子凍結を行っていれば、凍結した卵子を用いて出産できる可能性も十分あると言えるでしょう。

将来の妊娠に不安を感じたら卵子凍結を検討しよう

生理不順や早発閉経など不妊症の原因になる婦人科疾患では、卵子凍結を視野に入れるのがおすすめです。

卵子凍結を検討しておくことで、将来の妊娠に対する不安を軽減できます。

生理不順は、不妊症の原因となる疾患の症状として現れることが多いです。

そのため、生理周期に異常を感じたら、まずは産婦人科を受診するようにしましょう。

特に早発閉経では閉経後の採卵が難しいため、事前にAMH検査などで予測し卵子凍結を行っておくと、閉経後も妊娠できる可能性があります。

事前に卵子凍結で備えることで選択肢が広がるため、ぜひ検討してみてください。

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