不妊治療がきっかけで、
- 意見が嚙みあわずケンカばかり
- 以前のように楽しくおしゃべりもできない
- パートナーの顔を見るのが嫌になった
といったお悩みはありませんか?
不妊は男女両方に原因がある※ため、本来であれば不妊治療に対して、それぞれが協力しあう姿勢が求められます。
※”WHO(世界保健機関)の不妊症の7273カップル”より
しかし、不妊治療が長期間にわたれば、つぎのような問題が積みかさなり、離婚にいたるケースもあるようです。
不妊治療の期間に直面する問題3つ
- 身体的・精神的な負担
- 仕事との両立がむずかしい
- 経済的な不安
不妊治療が原因による離婚を未然に防ぐためには、問題点を客観視して、冷静に現状を受け止める必要があります。
おたがいの理解をふかめるためにも、この記事に目を通していただき、新しい命を授かるまでの大きなカベを乗り越えるきっかけにしてください。
参考:不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック:厚生労働省
参考:嫁の不妊が発覚!離婚したい…離婚できるケースと慰謝料請求方法、離婚を求められたときの対処法
不妊治療が離婚のきっかけに?治療期間に直面する問題点3つ
不妊治療の期間に直面する問題3つ
- 身体的・精神的な負担
- 仕事との両立がむずかしい
- 経済的な不安
くわしくみていきましょう。
1. 身体的・精神的な負担:通院回数や治療に対する不安
不妊治療の期間は、みじかい人で約7か月、長い人では2年〜5年となります。
参考:不妊治療にかかる期間とは?-約2年超で最大5年超、早くから自分の身体に関心を-
そのあいだ、男女ともに、以下のような身体的・精神的な負担が生まれます。
身体的な負担の例 | 精神的な負担の例 |
・通院の時間・回数 ・治療にともなう注射や手術など | ・妊娠できないかもしれない不安感 ・友人や家族からのプレッシャー ・妊娠のための義務的な性交渉 |
身体的な負担
不妊治療としてはじめに取り組むタイミング法を例にあげると、女性が月経や排卵周期に合わせた通院スケジュールを組む必要があります。
また、地域によっては、生活圏内に受診できる医療機関がない場合もあり。移動時間や診察時間をあわせると2〜3時間以上になることもめずらしくありません。
くわえて、体外受精などに必要な採卵手術を受ければ、女性への身体的な負担はさらに大きくなります。
採卵の方法
膣へ細い針を入れ排卵前の卵胞から卵子を吸引します
精神的な負担
厚生労働省の資料によれば不妊治療を続けたとしても、妊娠にいたる確率は25~45%ほどというデータがあります。
参考:不妊治療について
女性の年齢が30代後半になると妊娠率がおおきく下がり、流産の確率も上がるため、不妊治療における女性への精神的な負担はさらに大きくなるのは仕方がありません。
2. 仕事との両立がむずかしい:治療のために仕事を休む必要がある
厚生労働省の調査によると、不妊治療と両立ができていると答えた人が53.2%いる一方で、両立ができていないと感じている人の割合は”34.7%”となっています。
また、不妊治療のために3割以上の人が「仕事を休んだことがある」と回答し、約6割の人は「勤務先からの支援はとくにない」と回答しています。
前述したように、不妊治療には身体的・精神的な負担がかかるため(とくに女性の場合は)体力面を考慮すれば、仕事を休むのも仕方がないといえるでしょう。
3. 経済的な不安がつきまとう:仕事を休んだときに収入が下がる
2つ目の社会的な問題ともかさなりますが、不妊治療を受けるために、ときには2人そろって仕事を休む必要があります。そのため、有給が取得できない状況では、収入が下がるのは避けられません。
勤務日数が週5日の月収
140,000円 6,000円×22日
不妊治療のため勤務日数が週3日になったときの月収
90,000円 6,000円×15日
一か月の収入が約50,000円ダウン
不妊治療は2022年4月より保険適用となりましたが、治療が長引く場合は、1回の治療期間で、治療費が10万円以上になるケースもめずらしくありません。
治療のために仕事を休んだ結果、収入が下がっている状況では、10万円以上の治療費は家計にも大きな負担となります。
不妊治療:保険適用時の費用の目安(検査代ふくむ)
女性向け不妊治療:1回の治療期間あたりの費用の目安
保険適用時の費用 | |
タイミング法 | 約5千円 |
人工授精 | 約1万5千円 |
体外受精 | 約5~20万円 |
顕微授精 | 約15~20万円 |
男性向け不妊治療:1回の治療期間あたりの費用の目安
保険適用時の費用 | |
simple TESE | 約6万円 |
micro TESE | 約9万円 |
この項のまとめ
1.身体的・精神的な負担
2.仕事との両立がむずかしい
3.経済的な不安
上記3つの理由により、おたがいの関係が破綻してしまい、離婚にいたる可能性も?
不妊は身近なトラブル:不妊治療を受けたカップルの割合は4.4組に1組
厚生労働省の資料によれば、不妊の検査や治療を受けた経験がある(または現在受けている)カップルは、約4.4組に1組(22.7%)というデータがあります。
また、カップルのうち約2.6組に1組(39.2%)が不妊に悩んでいるといった結果が出ています。
いっぽうで、2020年には、14人に1人が体外受精より生まれているデータもあることから、不妊治療はけしてめずらしいものではありません。
不妊治療=ネガティブな方法という認識をなくして、現状を受け入れるためにも、おたがいに協力しあう姿勢が求められるでしょう。
不妊治療は女性だけの問題ではない?
不妊の原因は、女性と男性両方に原因があるといわれています。
”WHO(世界保健機関)の不妊症の7273カップル”の調査によると、以下のような結果になっています。
不妊の原因の男女比
- 女性のみ:41%
- 男女ともにあり:24%
- 男性のみ:24%
- 原因不明:11%
”男女の原因”が24%を占めていることから、不妊の原因の男女比は約50%ともいえるでしょう。
不妊のおもな原因
不妊のおもな原因としては、つぎの3つがあげられます。
- 年齢
- 生殖器系のトラブル※
- 精神的なもの
※生殖器系のトラブル
男性の場合:精子の数や機能、精子が移動する通路のトラブルなど
女性の場合:卵子の数や機能、子宮のトラブルなど
不妊の原因:「6割が男性」という回答も
厚生労働省が行ったアンケートによると、4割〜6割の人が「不妊の原因は男性」と回答しているようです。
不妊において男性側に原因がある割合の質問では、「4~6 割」という回答が男女ともに最多であった。
この結果からも”不妊=女性だけの問題ではない”という認識は広まっているといえるでしょう。
不妊治療による離婚を防ぐには?2人で抱えこまず不妊専門相談センターへ相談を
不妊に悩むカップルの相談場所として、各地域に”不妊専門相談センター”があります。
おもな相談内容
- 不妊の原因
- 検査や治療について
- 不妊治療が受けられる医療機関
など。
おたがいに話しあうだけでは、問題を二人で抱え込んでしまう可能性もあるため、まわりのサポートをうまく活用してみてはいかがでしょうか?
以下のURLには、全国の不妊専門相談センターの受付時間や連絡先が記載されているので、不妊治療を受けるのに迷っている方は、ぜひご確認ください。
不妊治療に専念する場合は雇用保険の手続きを忘れずに
仕事をやめて不妊治療に専念する場合は、退職後にハローワークで、雇用保険の受給期間を延長の手続きをしておきましょう(最大3年まで延長可能)
ハローワークの手続きで必要なもの
職場で用意してもらうもの
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
自分で用意できるもの
- 印鑑
- 顔写真
- 銀行通帳など口座番号がわかるもの
- 身分証明証(運転免許証など)
※印鑑については不要な場合もあります。
参考:不妊治療中の方で雇用保険(基本手当)の受給を考えている方へ(Q13参照)
年齢による不安をへらすには”卵子凍結”という選択肢も
「不妊治療が離婚のきっかけ」
「不妊に悩んでいる人は多い」
「治療を受けても妊娠できずストレスに」
といわれても、
「まだ20代後半で独身だし、相手もその気ではないから、自分には関係ないかな……」
と思いたくなる気持ちはわかります。
しかし長い人生のなかでは、どのような変化が起きるかわかりません。
現時点では実感がなくても、30代後半にさしかかる前に「やっぱり子どもがほしい」という気持ちになる可能性もゼロではありません。
そこで、選択肢の1つとしてあげられるのが”卵子凍結”です。
将来、出産を希望する女性が、妊娠適齢期の自分の卵子を採取し低温保存する医療技術
年齢とともに、卵子の機能が変化するのは避けられません。
しかし、卵子凍結によって妊娠適齢期の卵子を保存・活用すれば、将来の妊娠の確率を上げられます。
詳細については、卵子凍結のメリットとデメリットを詳しく解説!をご確認ください。
まとめ
不妊治療が離婚のきっかけに?治療期間に直面する問題点3つ
- 身体的・精神的な負担:通院回数や治療に対する不安
- 仕事との両立がむずかしい:治療のために仕事を休む必要がある
- 経済的な不安がつきまとう:仕事を休んだときに収入が下がる
不妊の原因は男女両方にあるいっぽうで、治療内容については、女性への身体的な負担が大きくなります。
また、2020年のデータでは、不妊治療を受けたカップルの割合は4.4組に1組となっております。この結果からも、子どもを望むカップルにとって、不妊治療は身近な選択肢の1つといえるでしょう。
不妊治療をきっかけとなる離婚を未然に防ぐためにも、2人だけで抱えこまずに、不妊専門相談センターをふくめて、まわりのサポートをうまく活用してみてください。
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